Waterworks
Waterworks Radio

木曽三川

建設 1873 - 1912
所在地

名古屋県

技師
Johannis de Rijke

木曽三川とは、木曽デルタを形成する木曽川、長良川、揖斐川の総称で、流域、特に名古屋市にとって大きな課題でした。この地域は、川が合流して再び分流する複雑な河川システムのために、何世紀にもわたって何度も洪水被害に見舞われ、それによりさらに氾濫の危険性が高まっていました。治水制御の取り組みは江戸時代にまで遡り、堤防や盛土の建設などさまざまな対策が提案されましたが、改良事業が大きく動き始めたのは、明治時代になってからでした。

1889年、日本政府はヨハニス·デ·レイケに依頼し、木曽川、長良川、揖斐川を下流で分流する計画を策定しました。名古屋市を含む流域の洪水、氾濫を防ぐことが目的でした。974万円(当時としては巨額)を投じたこの事業は、日本にとって大きな投資となり、治水工学の転換期を画することとなりました。完成する頃には、名古屋の度重なる洪水を防ぐことに成功し、やがて近代的な港湾そして国内の主要な都市として、発展していきました。

楽曲:YUI ONODERA

このアルバムは、木曽川デルタ周辺の環境音を収録したものから成り、これら三本の川の流れを様々な交差を表現しました。収録にはバイノーラルマイクとDSDレコーダーを使用し、三本の川の土手や橋などで録音をおこないました。

Civil engineering has shaped urban form and planning in Japan for centuries.
For long, the country has been threatened by natural hazards such as flooding,
typhoons, earthquakes and tsunamis — with engineering traditionally
providing the necessary defences.

During the Meiji era, the Japanese government invited Dutch hydraulic engineers
('watermannen') to help improve water infrastructure. Their innovative solutions
exemplified international collaboration during Japan's critical modernisation
period and underscores the enduring bond between both nations.

Initiated by Field Records, Waterworks covers over 50 Dutch waterworks developed
across Japan during the Meiji era. Navigate around the map and click on sites' names
to learn about their development — often accompanied by visual or sonic impressions.

長い間、台風、地震、津波などの自然災害に脅かされてきた日本。土木工学は従来より災害防御の
手段として、何世紀にもわたり日本の都市形態と都市計画を形成してきました。明治時代、日本政
府はオランダの水利技術者(「ウォーターマンネン」)を招き、国内の上水道インフラの改善に協力
してもらいました。オランダ人技師達が伝えた革新的な技術は、日本の近代化の重要な時期に大き
く貢献した国際協力の好例であり、両国の永続的な絆につながっています。

革新的な影響を与えたにもかかわらず、オランダ人技師による日本の治水管理への貢献は、今まで
大きく注目されていませんでした。本展示「Waterworks」は、明治時代に日本各地で開発された50
か所以上のオランダ上水道跡を展示した、フィールドレコーズ始動の日蘭共同プロジェクトです。
地図上の史跡名をクリックして、その場所の写真や音響とともに、歴史や開発当時の様子を学んで
みてみてください。